「ツボを押さえた」という言葉の由来
「ツボを押さえた」とか「ツボを心得ている」といった表現は、鍼灸治療で使われる「ツボ」に由来しています。
実際に的確なツボを刺激すれば、カラダの不調の改善が図れます。その理由は以下の通りです。
東洋医学におけるツボの役割
東洋医学では、カラダに「気」や「血」のようなエネルギーが巡っていると考えられています。
その通り道が、全身に14本ある「経絡」というエネルギーラインです。
-
・12本の経絡:肝臓、心、脾臓、肺、腎などの臓器に関係
-
・2本の経絡:「督脈」と「任脈」
この14本の経絡上に、ほとんどのツボ(経穴)が存在しています。
経絡は互いに繋がっており、「気」や「血」の巡りの不具合が臓器やメンタルの不調、不定愁訴の原因となります。
そのため、エネルギーの出入り口であるツボを刺激し、巡りを整えることが重要です。
これは古来中国の偉大なる知恵とされています。
ツボを活用した東洋医学的アプローチ
例えば、朝起きたら喉が痛く、微熱があった場合。
西洋医学の場合
-
1.病院へ行く
-
2.体温計で測定し、風邪と診断
-
3.解熱剤やうがい薬を処方
-
4.帰宅し、薬で治療
東洋医学の場合
-
1.喉の痛みを感じたら、風邪の初期症状に対応するツボを押す
-
2.圧痛があれば「反応」があり、それが風邪と「診断」できる
-
ツボを刺激することで「治療」が成立
つまり、ツボは「反応点・診断点・治療点」として一石三鳥の役割を果たすのです。
ツボの歴史 〜石器時代から存在していた?〜
アイスマンのミステリー
1990年代初頭、アルプス山脈の氷河で発見された男性のミイラ「アイスマン」が世界の注目を集めました。
-
時代:5300年前の石器時代
-
特徴:肉体や着衣、道具類が良好な状態で保存
-
体の特徴:いくつかの刺青があり、その半分以上が現在知られているツボと一致
-
考察:彼自身が腰痛を抱えており、刺青があった場所は腰痛に効くツボだった
これが事実なら、ツボの概念は古代中国よりも遥か昔の石器時代にまで遡る可能性があるのです。
1970年代、中国の麻酔治療が世界を驚かせる
1971年、『ニューヨークタイムズ』の記者が訪中した際、虫垂炎を発症。
-
・西洋医学の手術を受けたものの、術後の痛みがひどかった
-
・そこで、試しに鍼治療を受けた
-
・驚くべきことに、鍼治療で痛みが軽減!
帰国後、この記者は自身の経験を大々的に報道し、さらに「中国では麻酔薬を使わず、鍼だけで麻酔をかける例が珍しくない」という情報も発信しました。
「マジで?ツボに鍼を刺すだけで外科的な処置ができるの?」と、それまで西洋医学一辺倒だったアメリカ人にとっては驚愕の事実でした。
この出来事をきっかけに、欧米でも鍼灸やツボの医療効果が認められるようになり、2000年代にはWHO(世界保健機関)で361個のツボが正式に認定されることとなりました。
まとめ 〜ツボの力を体験してみませんか?〜
-
・ツボは単なる治療ポイントではなく、「反応点」「診断点」「治療点」としての役割を果たす
-
・5300年前の「アイスマン」の刺青が、ツボの歴史の古さを示唆している
-
・1970年代、中国の鍼麻酔治療が欧米で話題となり、WHOが正式にツボを認定
ツボの概念は、単なる迷信ではなく、古代から現代に至るまでの医学の進歩とともに進化してきたのです。
そして、ツボは鍼だけでなく、指圧でも同じような効果を得ることができます。
適切なツボを刺激することで、カラダの不調を和らげ、自然治癒力を高めることが可能です。
「なんとなく疲れが取れない」「肩こりや腰痛がつらい」そんな時は、ツボを活用した施術を受けてみませんか?
当院では、ツボを的確にとらえた施術を行い、あなたのカラダの不調を根本からケアします。ぜひ一度、体験してみてください!